タイタンジャーナル

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太田光「マボロシの鳥」ロングインタビュー

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2010年、タイタンの重大ニュースといえば、太田光著『マボロシの鳥』処女小説発表だろう。 「ハギ、オレは小説が書きたいんだよ」 お笑いライブの楽屋で、太田家のこたつで、阿佐ヶ谷のサウナで、語り合うたびにいっていた太田さん。 マボロシの鳥の発売日、店頭にその表紙を見つけたとき、ボクはまるで自分のことのように嬉しくなりました。 男子三日会わざれば刮目して見よといいますが、太田さんと出会ってから20年以上、いまや刮目どころじゃありません。 渋谷ラ・ママのライブハウス、その楽屋の片隅で所在なげに佇んでいた青年が、いまではテレビの中央で活躍し、書店の一番目立つところに、その処女小説がうずたかく平積みされているのですから。 というわけで、年の初めのタイタンハッピーは、新春特別企画!太田光が語る『マボロシの鳥』インタビューをお送りしたいと思います。

ハギ : 
処女小説出版おめでとうございます。ついに!って感じですけど、まずは、小説を書いてみての感想ってありますか?
太田 : 
自由度が高いよね。漫才だと、面白いアイデアを思いついても、それをボケとつっこみに直さないといけない。それと、問題は滑舌ね(笑)このボケをバァ~ッと一気に言い切れたら絶対に受けると思っても、このテンポはきついなと思えば躊躇しちゃう。
ハギ : 
ちなみに、そういう場合の処理はどうしてるんですか?
太田 : 
もう言葉を変えちゃうね。
ハギ : 
え~っ。それはもったいない。
太田 : 
テレビの場合でも、どう映像として伝えるかをまず考えるから。もし、マボロシの鳥が映像化を前提にしていたら、かなり違ったものになってると思う。
ハギ : 
マボロシの鳥を映像にしたら、陳腐になってしまうかも知れませんね。
太田 : 
タンガタの住む、文明の無い世界をどうやって映像にするんだって話だよ。そういう意味では、小説は縛りがないよね。
ハギ : 
縛りということでは、ボクがTVブロスで爆笑問題のインタビューをまとめる場合、”爆笑問題らしさ”を意識します。つまり、爆笑問題という縛りですが、そういう縛りもないですよね。いわゆるタレント本ではないし、純粋な短編小説集ですから。
太田 : 
「マボロシの鳥が、タレント本コーナーにあったらどう思いますか?」って取材で聞かれたけどさ、オレはぜんぜん構わないんだよ。
ハギ : 
そうなんですか。
太田 : 
タレント本でいいんだもん。これは、オレが本を読んできて思うことなんだけど、世の中の文学はすべてがタレント本だよ。太宰治も夏目漱石も、三島由紀夫もトルストイも、みんなタレント本。だって、書き手の人柄を感じながら読んでるんだから。
ハギ : 
作者のイメージなり、先入観なりを持ちつつ読みますからね。
太田 : 
マボロシの鳥の書評でも、太田光の顔が見えすぎるとかいわれるけど、それはもうしょうがない。太田光であることからは逃げられないんだから。
ハギ : 
マボロシの鳥を読み通して、そこから見える作家・太田光の顔は確かに見えました。それは、爆笑問題・太田光ではないんですけどね。
太田 : 
ただね、目指すところは違うんだよ。読み手として一番幸福なのは、物語に没頭して、それが誰の作品かなんてことを忘れてしまうことだから。
ハギ : 
物語にはまったら、いちいち作者のことなんて意識しませんもんね。
太田 : 
オレは本好きだから、最初だけだよ作者を意識するのは。物語が始まったら、そんなの忘れてるからね。読み手としても優秀だよ(笑)

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マボロシの鳥

ハギ : 
マボロシの鳥って、いろんな意味に受け取れますよね。それぞれ見え方の違う、それぞれにとって大切なもの。
太田 : 
オレらが漫才をやってて、同じように演じてても、劇場や客の感じで受け方がぜんぜん違うことがあるだろう。
ハギ : 
同じネタで大爆笑だったり、はずしたりってありますね。
太田 : 
それはなんだろうって考えても、きっと一生わからない。これはもう理屈じゃなくて、それがわかれば、こんな楽なことはない。
ハギ : 
お客さんだって、それぞれが笑いのつぼは違うし、面白いと思うことも違う。
太田 : 
オレにとってマボロシの鳥は、そういうものの象徴。それに逃げられちゃった男と、かたや捕獲した男。
ハギ : 
タンガタは、チカブーの住む世界とは別のパラレルワールドにいますよね。
太田 : 
あれは、チカブーの細胞のなかにある宇宙で起きたことなんだ。芸人として、「あれっ、こんなとき今までどうやってたっけ?」とか、「もう、あの芸はできない」とか思うことがある。でも、どっかに入り込んじゃってるだけで、どっかにあるはずなんだよ。
ハギ : 
太田さんの細胞のなかに逃げ込んでるんですね(笑)
太田 : 
まあ、そんな感じだよ。
ハギ : 
酒場に出てくる中年男は、なんだか自分だと思いました。太田さんと話すとき、いつもいいたいことがいえない。マボロシの鳥の感想も、結局はうまくいえないんです。
太田 : 
へぇー。あの中年男は、オレだと思ったよ。
ハギ : 
それはどうしてですか?
太田 : 
談志師匠に会ったときのオレなんて、ほんとは「談志師匠の落語は面白いです」って単純にいいたいのに、オレごときが、とてもじゃないけどいえない。
ハギ : 
太田さんでも、そういう気持ちになるんですね。
太田 : 
でも、談志師匠も、ほんとはそれだけをいってもらいたいんじゃないかって思うこともあるんだ。そのもどかしさが自分の投影でもあるし、魔人チカブー側として、オレのいってもらいたいことの投影でもあるしね。

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太田光直筆サイン入り『マボロシの鳥』抽選で3名様プレゼント!

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太田光『マボロシの鳥』インタビュー、いかがでしたでしょうか?今回、このインタビューをご覧になって頂いた方から抽選で3名様に太田光直筆サイン入り『マボロシの鳥』をプレゼントさせて頂きます! 応募方法は以下の通り、是非ご応募ください!

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